検出力と棄却域

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  • 統計的検定というのは、確率分布母数 θ が、特定の値 θ0 に等しいかどうかを判定するための方法です。
  • この「θ=θ0」という命題を帰無仮説と呼び、その反対の「θ≠θ0」という命題を対立仮説と呼びます。
  • この図では、母数確率分布の平均値になっています。この母数によって確率分布が決まります。
  • 図中の「θ(母数=平均値)」と書かれた ♦ のマークをマウスでドラッグしてみましょう。確率分布を表す曲線も一緒に移動するはずです。
  • この確率分布の赤い部分(棄却域)の値が発生した場合、帰無仮説は誤りで対立仮説が正しいとみなされます。これを「帰無仮説が棄却された」と言います。
  • したがって、
    • 赤い部分の面積は、帰無仮説が棄却される確率 α' を表しています。
    • 緑の部分の面積は、帰無仮説が受容される確率 β' を表しています。
  • 母数 θを表す ♦ のマークをマウスでドラッグすると、α' と β' の値も変化します。それをプロットしたのが下のグラフです。
  • さて、「よい検定」というのは、以下の条件を満たす必要があります。
  • これは、下のグラフで言うと、以下を意味します。
    • α' が θ0 の位置では小さく、それ以外の位置では大きい、
    • β' が θ0 の位置では大きく、それ以外の位置では小さい。
  • 実は、「棄却点」と書かれた▲ のマークをマウスでドラッグすると、棄却域を変更することができます。 を好きな位置に動かしてから ♦ のマークを動かしてみて、棄却域をどう設定すれば「よい検定」になるのかを調べて見ましょう。
  • 棄却域が左右両側にあるのを「両側検定」、どちらか片側にしかないのを「片側検定」と言います。棄却域を片側だけに設定してから ♦ のマークを動かしてみて、片側検定両側検定がどう違うか調べてみましょう。
  • 検定の結果は確率分布の標準偏差によっても変わります。標準偏差はサンプルの数などで調整できます。標準偏差と書かれたスライダーを動かしてから ♦ のマークを動かしてみて、標準偏差をどう変化させれば「よい検定」になるのか調べてみましょう。
  • 点がたくさんプロットされすぎて見難くなったら、「軌跡を消去」のボタンをクリックしてください。下のグラフにプロットされた点の軌跡だけが消去されます。

考えてみよう

  • 第一種の過誤を小さくすることと、第二種の過誤を小さくすることは、必ずしも両立しないと言われています。その理由を考えてみましょう。
  • この両者が両立しない場合、第一種の過誤を小さくすることが優先されるのが普通です。その理由を考えてみましょう。
  • よく「帰無仮説が棄却されなかったからと言って、対立仮説が間違っているとは限らない」と言われます。なぜでしょう。考えてみましょう。
  • 帰無仮説有意水準 5% では棄却できなかった」。この表現には、検定の結果を正しく理解する上で重要な情報が欠けています。どんな情報でしょうか。考えてみましょう。
  • この記事の作者は、α と α'、β と β' を意図的に使い分けています。その意味を考えてみましょう。
  • α' は、θ の動きとともに上下しますが、α はほとんどゼロのままです。その理由を考えてみましょう。
  • 第一種の過誤が発生する θ の位置は一箇所だけですが、第二種の過誤が発生する θ の位置はたくさんあります。小さくするといっても、どこから小さくすべきなのか、悩まなくてもいいのでしょうか。考えてみましょう。
  • 上のグラフと下のグラフは、どちらも「確率」を表していますが、意味するところは微妙に違います。その違いを考えてみましょう。
  • 上のグラフの下の面積は、合計すると 1 になりますが、下のグラフの下の面積は、合計しても 1 になるとは限りません。その理由を考えてみましょう。
  • θ を θ0 の位置から右(左)に動かすと、、左(右)側の棄却域は減りますが右(左)側の棄却域は増えます。それなのに、差し引きゼロにならず、α' が増えるのはなぜでしょうか。考えてみましょう。
  • 確率分布がこのような山形でなく、全然違う形だったら、結果はどう変わるでしょう。考えてみましょう。
Last modified: Friday, 6 June 2014, 8:49 PM